毎日jp 2011年06月22日
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110622ddlk01040251000c.html 札幌などの市街地で、ヒグマの目撃が相次いでいる。一因となっているのが昨秋のドングリ豊作。豊作の翌年はヒグマの出産が増えるとされ、子連れの雌の活動が活発化しているとみられる。冬眠支度をする秋までは人里近くに下りてくる危険が高いことから、住民や関係機関が警戒を強めている。
19日午後6時ごろに親グマと子グマ2頭の目撃情報があった札幌市中央区宮の森2の17付近の市道。宮の森ジャンプ場の手前にある聖心女子学院からわずか400メートルの距離で、391人の児童がいる市立大倉山小からも1キロしか離れていない。同小のベテラン職員も近隣でのクマ出没は初めて聞くといい、斉藤隆義教頭は「全く無警戒だった。まさかこんな住宅街まで下りてくるとは……」と驚く。
同校では20日に目撃情報を把握。前日に「クマを見かけた」という児童や、家の庭にクマとみられる足跡を見つけた児童もいることから、朝から職員や保護者らで校区内のパトロールを始めた。帰りは集団下校で、帰宅後も外出を控えさせている家庭が多いという。
市内では札幌市街から定山渓温泉へ向かう途中にある南区の石山や藤野でも、今月上旬に計3回、クマの目撃や足跡発見の情報があった。市によると、目撃されたのは車や人通りの多い場所だったという。
札幌以外でも、芽室町で5月下旬から6月上旬に町中心部から1~2キロ離れた2カ所で目撃情報があったほか、中標津町でも20日午前に住宅地から200~300メートルの場所で子グマ1頭が目撃されている。いずれも人が近くに住む場所だ。
人とヒグマの距離は、徐々に近くなってきている。畑が荒らされるなどの農作物被害は01年度以降、9年連続で1億円を上回り、昨年度の捕獲頭数は600頭を超えた。
今年、特に懸念されているのがヒグマの好物であるドングリの実り具合だ。道自然環境課によると、昨秋のドングリは豊作で、栄養をたくわえた雌グマが春になる前に例年より多くの子を産んだと推測される。今秋、山の実りが凶作になった場合には、食べ物が足りなくなって餌を求める親子が標高の低い場所や山里に出没する可能性が高まるという。同様の状況になったのが05年で、ヒグマの捕獲数は前年度の約1・6倍に跳ね上がった。
警戒は来年も必要だ。来夏には子グマが親離れする。捕獲されるヒグマの約6割は3歳以下で、警戒心の弱さや好奇心から、人里に出没してヒトと接触する危険がある。
北海道大の坪田敏男教授(野生動物医学)は、緊急避難的な対策として「出没情報をいち早くキャッチして地元の人と共有し、パトロールや鈴、集団下校などで自己防衛を図ることが大事」と指摘。そのうえで恒久対策として「共存の構図を探るために、野生動物の生態に詳しい専門家を行政組織に配置し、保護・管理する体制を作るべきだ」と訴えている。
■ヒグマ捕獲数・被害の状況■(道調べ)
年度 | 捕獲頭数 | 農作物の被害額 |
89 | 184 | 5800万 |
90 | 221 | 6900万 |
91 | 267 | 8000万 |
92 | 222 | 6900万 |
93 | 287 | 9300万 |
94 | 177 | 8500万 |
95 | 233 | 9600万 |
96 | 336 | 9400万 |
97 | 206 | 1億 500万 |
98 | 299 | 1億 500万 |
99 | 339 | 8800万 |
00 | 303 | 7800万 |
01 | 464 | 1億2400万 |
02 | 298 | 1億 900万 |
03 | 401 | 1億 200万 |
04 | 354 | 1億3400万 |
05 | 587 | 1億5600万 |
06 | 430 | 1億4300万 |
07 | 436 | 1億3400万 |
08 | 426 | 1億4300万 |
09 | 649 | 1億7000万 |
10 | 539 | 調査中 |
1989年から2010年までで、実に約7,600頭ものクマが殺されている。
上の表は、殺されたクマの数より、被害額の方を伝えたいんだろうと思うが、
私には殺処分のみに目を向けて来た結果、積み上げて来た失敗の履歴にしか見えない。
人間側の被害は金額のみで済んでいるが、クマ側の被害は7,600頭もの命である。
殺処分のみでは無く、人間と野生動物の住み分けを考えて欲しい。
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