[報道] 小山町の多頭飼育の犬 引き取り手探しが軌道 /静岡
沢沿いの農道の突き当たりに、二段に積まれた犬用ケージが並ぶ。およそ四十匹。「大半が蚊を媒介とするフィラリアの治療中です」と御殿場市在住のボランティアの女性Aさん(39)。凍傷で足首が欠損した犬、発情抑制剤の副作用で腹が異様に腫れ上がった雌犬もいる。全体的に健康状態は悪い。
この多頭飼育の問題は四年前、新聞報道で発覚。県の「殺処分しない」という異例の方針が話題となり、引き取り希望が相次いで、三百万円以上の寄付が全国から集まった。「半年で十五匹を引き渡せたが、その後は停滞してしまった」と県御殿場保健所。警戒心の強い犬が残り、もらい手が見つからなかった。
ネットで問題を知ったAさんは昨年夏から協力を始めた。自宅に預かって、最初は遠くから話し掛けるなど数カ月かけて人にならし、不妊去勢手術も済ませた。独自にネットなどで引き取り手を探し、一年余りで十七匹の譲渡に成功。引き取った裾野市上ケ田の保育士勝又佳子さん(42)は「成犬は性格が穏やか。子犬より飼いやすい」と喜ぶ。
問題の根本は、簡単にペットを捨てる飼い主のモラルの低さだ。取材中、現場に若い夫婦が現れた。「子どもが生まれたので猫四匹を預かってもらっただけ。飼育放棄ではない」。だが「自分の猫」には会わず、持参したキャットフードを置いてすぐ立ち去った。
これら多数の犬猫の「飼い主」は御殿場市の元飲食店経営の男性(76)。かつては自宅でポメラニアン一匹を飼う普通の愛犬家だった。二十五年ほど前から、さまざまな人から犬猫の世話を頼まれるようになった。
「私が断れば殺処分。見捨てるわけにはいかなかった」。自宅では場所が足りず、現在地に借りた廃屋の中で放し飼いにした。無断で捨てられた犬や、繁殖業者に声帯をつぶされた種犬もいて、最大百二十匹まで増えた。今は警備員として働きながら夜勤明けに毎日通い、昔の仕事仲間から手に入れた残飯を与えている。
協力するAさんが匿名なのも、当初「犬を引き取ってくれ」と一方的な電話が相次いだためだ。「『かわいいから』と子犬を買い、『大きくなりすぎて飼えない』と捨てる人が多すぎる。飼い主の意識が変わらなければ、多頭飼育の問題はなくならない」と訴える。
「GO!保護犬GO(猫も)」名義で活動するAさんは、一時預かりの協力者や引き取り手を募集している。十二月二日に御殿場市で、来年一月二十日に富士市で譲渡相談会を開く。問い合わせは電子メール=go.rescued.dogs@gmail.com=へ。
中日新聞 2012年11月28日
GO!保護犬GO(猫も)
http://ameblo.jp/ntachi-to-sakura/
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