fc2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

愛想ないのが人気…靴屋さんの看板猫 /滋賀

読売新聞 2010年10月5日

大津市の菱屋町商店街にある井上靴店=大津市長等、井上慎一店長(63)=に、アイドル猫がいる。
 1歳3か月の雑種の雌で、名前は「エル」。捨て猫で拾われ、一時は病気で命も危ぶまれたが、今は安住の場所を見つけた。すり寄らず、少し距離を置くなど猫特有の愛想のなさが、かえって客に「癒やし」を与えているが、エルはそんなことを知ってか知らずか、きょうも店内を闊歩している。

 床の上に体を伸ばしきって昼寝したり、商品棚に入り込んで体を丸めたり。白と茶のサラサラの毛をゆらし、大きなまん丸の目でゆったりと店内を見回す。普段は悠然としているエルだが、男性客が来ると少し身を隠すなど“乙女チック”な一面も併せ持つ。

 そんなエルが、井上さんと妻、和代さん(57)の元にやって来たのは昨年6月。生後1か月ほどの捨てられた子猫を、和代さんの友人が連れて来た。目やにでまぶたは閉じ、皮膚もただれて毛が抜け落ちていた。肺炎にもかかり、動物病院で「そう長くないでしょう」と告げられた。

 だが和代さんは2週間、毎日病院に連れて行き、夜は抱きしめて「絶対、死なせやしないからね」と声をかけ続けた。名前は光を意味するフランス語「ルミエール」から取った。「いつか、みんなを照らすような存在になってほしい」との願いを込めて、和代さんが看病中に名付けた。

 1か月が過ぎた頃から、エルは徐々に回復を見せ、美しい毛も生えてきた。今年5月、市内の大型商業施設内にあった店を今の場所に移したのを機会に、和代さんはエルを店に連れて来るようになった。

 猫嫌いの客への影響は心配だったが、「捨て猫のエルを昼間、家に閉じこめておくのはかわいそう。そばに置いてやりたかった」。そんな思いが伝わったのか、エルにひかれて店に来る人も出始めた。

 靴の試着で腰かけた客が数時間、エルに見とれることがある。そんな時、エルはただじっと見つめ返す。ベタベタされると、ぷいっと移動してしまう。

 そんなエルだが、最近の出来事を語りかけるお年寄りや、会うためだけに訪れる客も。同市浜大津、主婦の岡本真弓さん(49)は「エルちゃんを見るたび、ホッとして、温かい気持ちになる。私と同じ人はたくさんいますよ」と話す。

 「看病は大変だったけれど、癒やしという形で何度も恩返ししてくれている」と和代さん。家族だけでなく街の人たちにとっても、エルはその名のように幸せを照らす光になっている。
関連記事

| 報道 | 00:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://animalexp0711.blog135.fc2.com/tb.php/106-27de14cc

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT