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ボランティアがつなぐ命

2010年3月9日

 ごみ袋の口は固く縛られている。中の酸素は残り少ないはずだ。職員が急いでハサミを取り出した。そこには猫が3匹。捨てたのは「飼い主」だ。職員は猫缶をケージに入れて「暗いほうが落ち着くから」と、トラックの扉を静かに閉じた。

 定められた曜日と時間に、不要の犬猫を回収する定点定時収集。行う自治体は全国に20ほどで、年々減少の傾向にある。聞けば不快なシステムだが、これがなければ犬と猫は野山に捨てられる。そこで飢えに苦しみ、野生動物に襲われ、時間をかけて死ぬかもしれない。野犬化して人的被害や農作物被害を及ぼすかもしれない。システム廃止の前に、ペットの不妊去勢手術と放し飼い禁止、終生飼養義務の徹底を根付かせねばならない。

 その日、山口美智子さんと大岩祥子さんは犬を保護するつもりで、収集車のあとを追っていた。数が多すぎたら、けがや病気がひどそうだったらどうしようと案じながら。だが今日に限って一頭もいない。その足で県の動物保護収容のセンターに向かったものの、譲渡対象としての認定手続きが済んでいないため犬を引き出すことはできない。建物の奥から、遠吠(ぼ)えが漏れ響く。犬は毎日のように捨てられて、自分たちには受け入れ準備があるのに、助けられないもどかしさ。

 そこへ一台の車が近づいた。助手席の子犬を2人は見逃さなかった。声をかけると案の定、捨てる目的で来たという。自分たちはボランティアであることを説明し、責任を持って飼い主を見つけるからと約束して子犬を譲り受けた。数分でも行き違えばセンターに収容され、翌日にも殺処分かもしれなかった子犬は、2人の足元に無邪気にじゃれついた。命が日常的に遺棄される場を見たあとだけに、その姿は一層の救いだった。

 大人4人が半日かけ、大型の車2台で往復300キロあまりをひた走って救ったひとつの命。この出会いは偶然だろうか? そうは思わない。強い気持ちが引き寄せたと思えてならない。

 今月22日、品川区のウェルカムセンター原にて開かれるシェルシェ譲渡会ではチャリティーフリマも開かれます。ボランティアたちがつないだ輝く命が、そこにいます。(作家)
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