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個人ができることは無限大

2010年6月24日

 動物問題をテーマにした本の出版に合わせて自分のサイトを開いたのが99年。その掲示板にメッセージをくれた一人が裕子さんだった。不幸な犬や猫たちのために何かしたいと頻繁に登場していたが、掲示板にレスキューを実践する個人や団体の方々が訪れるようになると遠ざかってしまった。

 何週間ぶりかに彼女が戻ってきたときのことは忘れられない。一人で懸命に考えた結果、なんと地元の動物保護収容センターで活動を始めたというのだ。書き込みのタイトルは「野望」。

 <殺処分されるすべてのコを救いたいけど、お金も土地も権力もない私には無理なので、せめて、最後にあのコたちを勇気づけたいです。おいしいものを、おなかいっぱい食べさせたい。優しく撫(な)でて、ブラッシングしたい。ほんのひと時でも幸せを感じてもらいたい。そして、ごめんね、と力いっぱい抱きしめて、今度生まれてくるときには必ず天寿を全うできる、そんな優しい社会にしているからね、と約束したいです>

 普通の飼い主がセンターに掛け合い、募集してもいないボランティアを始めるなんて並大抵の決意ではなかったと思う。でも彼女は毎週センターに通い、譲渡対象の子犬をシャンプーした。それがメディアに取り上げられたこともあり、一人二人と仲間が増えた。動物愛護週間には犬のしつけ方セミナーを開き、地域猫活動をスタートさせ、チャリティーフリマに参加して、といった元気な報告が頼もしかった。

 7年前のある朝、彼女のご主人から受けた突然の知らせは私の頭の中をまっ白にした。水の事故。梅雨の晴れ間に急いで散歩に出かけ、増水した川に流された愛犬を救おうとして帰らぬ人となったという。その犬はセンターから迎えた一頭だった。通夜の弔問客が帰ってから告別式の朝まで、犬は自分を二回も(二度目は命がけで)救った人の傍らに寄り添った。

 彼女が活動を始めた当初、収容される子犬は欲しがる人の数を大きく上回っていた。それが今は逆転し、大人の犬に加えて猫の譲渡も行っている。「個人ができることは無限大」と言っていた裕子さんの声を、花開くような笑顔と一緒に思い出す。そう、無力な人などいないのだ。(作家)
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