[報道] 霊長類、毎年3000頭犠牲 国連報告書、ペットや展示に違法取引

　ペットや動物園での展示などを目的とした密猟と商業目的の違法な国際取引で、チンパンジーやオランウータンなど毎年約３千頭の野生の大型霊長類が捕獲されたり、殺されたりしているとの報告書を国連環境計画（ＵＮＥＰ）が５日までにまとめた。大型霊長類の違法取引に関する初の報告書。

　ＵＮＥＰの専門家は「違法取引は増える傾向にあり、国際的な組織犯罪となっている」と指摘。バンコクで開催中の野生生物の国際取引に関するワシントン条約締約国会議で、各国政府に監視体制の強化を求めた。

　大型霊長類は、他にゴリラ、ボノボを加えた４種。オランウータンは東南アジア、他はアフリカに生息する。

　ＵＮＥＰの専門家チームは、２００５～11年の各国の摘発例や押収記録、保護施設に持ち込まれた数などを基に、違法取引の規模を推定。７年間に約２万２２００頭が捕獲されたり、殺されたりしたと結論付けた。チンパンジーが約１万４１００頭と６割以上を占め、オランウータンは約４１００頭、ゴリラは約２９００頭、ボノボは約１１００頭。

　霊長類の買い手は、観光客向けの娯楽施設、動物園、ペットとして飼う資産家などで、マレーシアの動物園にゴリラが１頭40万ドルで売られたケースもあった。

中国新聞　2013年3月5日

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