[報道] 「ヌートリア」対策で対立 京都府と京都市
京都市内の鴨川に近年生息し、生態系を破壊する恐れがある特定外来生物「ヌートリア」の対策をめぐって、京都府と京都市が対立している。河川管理者の府は早期の捕獲を目指したいが、市は「市民の反発が予想される」として農業被害が出るまでは静観する姿勢。ヌートリアはさまざまな植物を食べ繁殖力も高いため、専門家は捕獲の必要性を指摘するが、現状では府が餌やり禁止を呼びかける程度にとどまっている。
府が鴨川でヌートリアを確認したのは2年前。淀川や桂川から移り住んだとみられ、現在は北大路橋(北区)や高野橋(左京区)まで北上している。
「かわいい」と餌を与える住民もおり、繁殖を恐れる府は昨年6月、河川敷に看板を設置するなどして餌やりの禁止を呼びかけている。府自然環境保全課は「鴨川の生態系を守るためには捕獲が必要」と強調する。
一方の京都市。環境管理課や林業振興課は「鴨川は鳥獣保護区でもあり、捕獲は市民の反発が予想される。市民の要望もない。ヌートリアが生態系を乱しているという証明も難しい」と捕獲に消極的だ。
特定外来生物を捕獲する場合、生息地の市町村や住民団体が防除計画をたて、国の認定を受けて実施するのが一般的で、鴨川での捕獲は京都市の協力が必要になる。
しかし、市は当面、農作物被害が出ている桂川水系や山科川での捕獲を優先する意向で、府市の隔たりは解消されそうにない。
ヌートリアに詳しい村上興正京都精華大非常勤講師は「草食なのに貝も食べるようになっており、生態系が大きなダメージを受ける可能性もある。市の腰は重いが、今ならまだ根絶は可能で早期に捕獲すべき」と指摘する。
一方、いきもの多様性研究所(中京区)の小山直美副代表は「いないほうが良いが、持ち込んだ人間の責任であり、避妊など少しでも殺さない対策にも取り組むべきでは」と話す。
京都新聞 2013年05月17日
ヌートリアは丈夫で育てやすく、柔らかい上質な毛皮が安価に入手できるため、第二次世界大戦頃には、軍隊の防寒服用として世界各国で飼育された。日本では1939年にフランスから150頭が輸入され、飼育が奨励された。このころは軍隊の「勝利」にかけて「沼狸」(しょうり)と呼ばれ、1944年ごろには、日本全国で4万頭が飼育されていた。終戦後、毛皮の需要が激減したことに伴い、その多くが野外に放逐された[7]。また、1950年代の毛皮ブームでは本種の飼育が流行したが、その後の毛皮価格の暴落に伴い、このときも多数が野に放たれ、野生化している。これらの子孫が各地で定着し、アライグマと同様に野外繁殖が問題となっている。
~Wikipediaより~
このヌートリアも結局人間の被害者。
増えすぎて根絶を目指した処分で多くの命が奪われる前に、いきもの多様性研究所の方が言われているように避妊など少しでも殺さない対策にも取り組んで欲しい。
と言っても鴨川に繋がる全ての水系で対策を行わない限り、次々未手術の固体が入り込む。
命を奪う以外の方法はないのでしょうか?
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| 外来種 | 01:33 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑
八丈島のキョン!!
…という漫画「がき刑事」のギャグがあったが、千葉県では中国・台湾原産のキョンという小型種の鹿が大繁殖して深刻な農業被害をもたらしているとTVで放映していた。
元々は2001年に閉園した「行川(なめかわ)アイランド」という観光施設で飼育されていたものだが、その40頭の給餌に困り野山へ放逐したものが現在1万4千頭(!!!)。捕獲出来たキョンはたったの1200頭。すばしっこく、頭の良いキョンは罠にかからず、また旺盛な繁殖力で仲間を増やしているそうだ。
また猪同様、山からヤマビルを農地へ運んでくる為、農民からは大変嫌われているとか。
ただ農業被害は猪に比べて金額が遥かに少なく、それが駆除優先度を下げているとも。猪は里山が無くなった事による食糧不足や天敵がいなくなった事由来の問題。対してキョンは観光資材として搬入され遺棄された外来獣。その存在の可否は明白なのだが、対策となると全く同じなんですな。
さて、どうしたものか。
| ふらんし~ぬの場合 | 2013/06/05 08:45 | URL | ≫ EDIT