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無責任な餌付けが招く子猫の悲しい運命 /山口

 人間の都合で保健所に持ち込まれ、殺処分される犬や猫。山口県内では圧倒的に犬より猫が多く、その3分の2は野良猫という。

 行政や専門家は、人から餌を与えられて数が増えていると指摘し、「不幸な猫を減らし、野良猫の被害から人の生活環境を守るためにも、無責任な行動は慎んでほしい」と訴えている。

 昨年度、県内で殺処分された猫は3896匹で、犬の1995匹の約2倍。うち独自に保健所と処分施設を持つ下関市は猫が1502匹で、犬の278匹を大きく上回っている。

 「鳴き声がうるさい」「排せつ物のにおいがひどい」――。下関市動物愛護管理センターによると、週に6、7件、猫の引き取り依頼が寄せられる。

 職員が現場に行くと、住宅の軒下に生後間もない子猫が5、6匹、か細い鳴き声を上げている。通報者や近くの住民に聞くと、親猫が餌付けされていることがほとんど。「1匹なら」と餌をあげていた住民が、急に数が増えて困惑し、引き取りを依頼する――。そんなケースが目立つという。

 県生活衛生課によると、栄養が十分な野良猫は年に3、4回出産。1度に5匹以上産むことも多く、すぐに数が増えてしまう。

 センターは定期的に犬と猫の譲渡会を開いているが、野良猫の多くは病気を持っているため譲渡できない。新たな飼い主が見つかる犬は毎年150~180匹いるのに対し、猫は20~40匹。昨年度は殺処分に至った猫の割合が97%に達した。

 自治体によっては、野良猫の避妊・去勢手術の費用助成などの対策を進め、一定の成果を挙げている。

 横浜市磯子区は1999年から、地域ごとの住民グループが助成制度を使って、野良猫を「地域猫」として数が増えないよう管理する仕組みを導入しており、現在29グループが区に登録している。横浜市全体の殺処分は昨年度1921匹で、ピーク(88年度)の1万1962匹から激減した。それでも市民からの苦情は減っておらず、市は今年度の助成枠を昨年度から1500匹分増やし、過去最高の4500匹分とした。

 下関市をはじめ、ほとんどの自治体は助成対象を飼い猫に限っている。下関市動物愛護管理センターの藤永真善美センター長は、助成対象の拡大について「税金を使う以上は市民の理解を得なければならず、すぐに実施するのは難しい」とした上で、「まずは、野良猫に餌をあげないことへの理解を広めたい」と話す。

 しかし、引き取りを依頼された際にセンター職員が餌やりをやめるよう促しても、「見殺しにできない」などと反発されることは少なくないという。

 ペットの正しい飼い方を広める活動に取り組んでいるNPO法人「下関青い鳥動物愛護会」の三浦妙子理事長は、行政の取り組みに加え、市民の意識改革も必要と訴える。「無責任に餌をやり続けることが、ふん尿などによる人の生活環境悪化を引き起こし、結果として自らに返ってくることを知ってほしい」

 下関市では毎週2回、猫の殺処分が行われている。
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