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アライグマ被害を食い止めろ /神奈川

 1970年代以降、テレビアニメなどの影響でペットとして輸入された「アライグマ」。ここ数年、遺棄や逃亡などで野生化したアライグマによる被害が深刻化している。県内でも特に三浦半島での被害・捕獲が多く、県では平成18年から「アライグマ防除実施計画」を5ヵ年で実施。引き続き対策を強化するため、第2次計画の策定を進めている。

 「国宝級の文化遺産にアライグマの爪あと」「文化財を破った犯人はアライグマ」−。被害はもっと身近にある。横須賀市農林水産課によると、農作物への食害や人家での糞尿など、生活被害の相談や報告は毎日あるという。さらに深刻なのは生態系への影響。絶滅危惧種のトウキョウサンショウウオやアカテガニが捕食され、生息数が影響を受けているという。

 日本では生息していなかったアライグマの野生化が県内で確認されたのは1988年頃。三浦半島全域には1996年ごろから定着しており、有害鳥獣として捕獲を始めた1998年度以降、約10年で1万頭を超える捕獲を行った。農業被害額は平成17(2005)年度の約1667万円をピークに減少しているが、県は「実態を反映したものではない」と分析する。

 県での取り組みは、各市町村での捕獲のほか、捕獲方法の実証やセンサーカメラで調査する「農業被害防除実証」や、生息状況を分析する「モニタリング」など。この5ヵ年での捕獲数は年間1200頭前後で推移し、事業の成果はみられたが、被害発生地での捕獲が中心で、里山や緑地では被害報告がないため捕獲が行われていないなど課題もあった。来年度からの「第2次防除計画」では、生息分布域の縮小と個体数の減少を目標に、対策を強化していく方向だという。

県は「完全排除」目指す
26日(金)まで意見・提案も募集

 県内の年間捕獲数の3割以上を占める横須賀市では、檻の貸し出しなどで対応している。捕獲したアライグマは、専門業者の手を渡り、処分されている。

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 午前9時前。市の指定委託業者(有)三栄消毒(吉田進社長)に市から処分依頼のファックスが舞い込む。この時点で計8件。「休み明けの月曜日は件数が多く、アライグマのほか、ハクビシンやタイワンリスも依然として多い」と吉田社長は話す。連絡を受け、引き取りに行くが、山や田畑の近くだけではなく、住宅街での捕獲も多い。市内のほぼ全域で捕獲されている。

 この日、引き取りに行ったのは西逸見町の民家。谷戸にある住宅の裏に、檻にかかった1匹のアライグマがいた。体長50cmほど、大人のアライグマだ。聞くと、檻にかかったのは3年で5頭目。庭先の金魚が食べられてしまっていたこともあったそうだ。回収後は市の施設で殺処分されるが、「人間が招いた結果。動物に罪はない」と同社長は多くを語らない。

 同社が市の委託で駆除を始めたのは平成12年。年間数頭だったのが、今では300頭を超える。アライグマは夜行性で雑食性。天敵もなく、繁殖力も高い−。民家の天井裏に巣を作ることも多く、物音が気になって見たら、糞が広がっていたというケースも多くみられるという。

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 この5カ年での実績・課題をふまえ、県の「第2次防除計画」では、最終的な目標を、完全排除としている。県ではこれに関して11月26日(金)まで、意見や提案を募集している。

 計画素案の詳細、意見の提出方法は、県環境農政局「野生生物グループ」【電話】045(210)4319へ問い合わせを。
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