“猫店員”がお接待 「カフェ」で戯れ癒やしの場に /福岡
西日本新聞 より
猫と触れ合える喫茶店「猫カフェ」が、北九州市にもオープンしたとの情報が入ってきた。猫カフェとは、居住環境や仕事などの諸事情で猫を飼いたくても飼えない人たちが、癒やしを求めてやって来る場。「猫萌(も)え」の1人として、早速現場を探究だニャ-。
■週末は入店待ちも
この店は小倉北区魚町3丁目の「小倉猫茶家」。北九州モノレール平和通駅近くのバザーリ小倉ビル5階に10月下旬、オープンした。週末などは入店待ちになることもあるという。
「写真撮影はOKですが、フラッシュは禁止です。猫と人間双方の健康のために、必ず手洗い消毒をしてください」。店主の山下信幸さん(35)がひと通りのマナーを説明してくれた。手を消毒して、広さ約60平方メートルのリビング風の店内へ。
中央にカーペットが敷かれ、猫の遊具という「猫タワー」がそびえる。三毛、白、キジトラの「猫店員」7匹が、四つのテーブルの間を自由に動き回ったり、寝そべったりしていた。定員は8-10人といい、おおむね1匹が「接待」してくれる計算になる。
■増えるリピーター
客層は若いOLや家族連れなど。来店の理由を聞いてみた。
「猫好きだけど、仕事で帰宅が遅いので、猫を飼えないんです」「自分の都合で猫と遊びたい時に、ここに来ています」
現代人のストレスの一端も垣間見える。1人で来店する男性会社員もいるそうだ。ツイッターなどネット上でも知られるようになり、リピーターが増えているという。
料金は30分500円(1ドリンク付き)、60分千円(フリードリンク)など。猫店員は生後2-6カ月で、みんな好奇心旺盛。猫じゃらしなどを使って戯れているうちに時間はあっという間に過ぎた。2時間いて支払ったのは2千円。こんなにも癒やされるとは…。夜の街に繰り出すより、ずっと安上がりだ。
■殺処分2040匹
実はこの猫店員たちにはつらい過去がある。すべて野良猫だったところを保護されたという。
市動物愛護センター(同区西港町)によると、昨年度、殺処分された野良猫は2040匹。犬の323匹に比べるとはるかに多い。同センターの動物愛護推進担当係長の城崎明徳係長(42)によると、犬には狂犬病予防法や市条例に基づき保健所などへの登録義務があるためという。「それに対し猫には規制がないため、捨て猫が野良猫になり、餌を与えられ繁殖していくという悪循環が続いている」と城崎係長。猫カフェの店員になれるような野良猫は本当に幸運なのだ。
猫茶家の山下さんは「人間の勝手な理由から苦しむ猫たちを救い、最後まで面倒を見てくれる人を増やしたい」と語る。猫の引き取り希望があれば、避妊去勢、ワクチン接種、完全室内飼いなどの厳しい条件を付けて譲渡するという。「出店をきっかけに、動物をむやみに捨ててはいけないという飼う側のモラルが高まれば」と期待する。
環境都市として発展を続ける北九州市。自然や環境だけでなく、動物にも優しい街であってほしい。同店=093(541)0102。原則月曜定休。
猫と触れ合える喫茶店「猫カフェ」が、北九州市にもオープンしたとの情報が入ってきた。猫カフェとは、居住環境や仕事などの諸事情で猫を飼いたくても飼えない人たちが、癒やしを求めてやって来る場。「猫萌(も)え」の1人として、早速現場を探究だニャ-。
■週末は入店待ちも
この店は小倉北区魚町3丁目の「小倉猫茶家」。北九州モノレール平和通駅近くのバザーリ小倉ビル5階に10月下旬、オープンした。週末などは入店待ちになることもあるという。
「写真撮影はOKですが、フラッシュは禁止です。猫と人間双方の健康のために、必ず手洗い消毒をしてください」。店主の山下信幸さん(35)がひと通りのマナーを説明してくれた。手を消毒して、広さ約60平方メートルのリビング風の店内へ。
中央にカーペットが敷かれ、猫の遊具という「猫タワー」がそびえる。三毛、白、キジトラの「猫店員」7匹が、四つのテーブルの間を自由に動き回ったり、寝そべったりしていた。定員は8-10人といい、おおむね1匹が「接待」してくれる計算になる。
■増えるリピーター
客層は若いOLや家族連れなど。来店の理由を聞いてみた。
「猫好きだけど、仕事で帰宅が遅いので、猫を飼えないんです」「自分の都合で猫と遊びたい時に、ここに来ています」
現代人のストレスの一端も垣間見える。1人で来店する男性会社員もいるそうだ。ツイッターなどネット上でも知られるようになり、リピーターが増えているという。
料金は30分500円(1ドリンク付き)、60分千円(フリードリンク)など。猫店員は生後2-6カ月で、みんな好奇心旺盛。猫じゃらしなどを使って戯れているうちに時間はあっという間に過ぎた。2時間いて支払ったのは2千円。こんなにも癒やされるとは…。夜の街に繰り出すより、ずっと安上がりだ。
■殺処分2040匹
実はこの猫店員たちにはつらい過去がある。すべて野良猫だったところを保護されたという。
市動物愛護センター(同区西港町)によると、昨年度、殺処分された野良猫は2040匹。犬の323匹に比べるとはるかに多い。同センターの動物愛護推進担当係長の城崎明徳係長(42)によると、犬には狂犬病予防法や市条例に基づき保健所などへの登録義務があるためという。「それに対し猫には規制がないため、捨て猫が野良猫になり、餌を与えられ繁殖していくという悪循環が続いている」と城崎係長。猫カフェの店員になれるような野良猫は本当に幸運なのだ。
猫茶家の山下さんは「人間の勝手な理由から苦しむ猫たちを救い、最後まで面倒を見てくれる人を増やしたい」と語る。猫の引き取り希望があれば、避妊去勢、ワクチン接種、完全室内飼いなどの厳しい条件を付けて譲渡するという。「出店をきっかけに、動物をむやみに捨ててはいけないという飼う側のモラルが高まれば」と期待する。
環境都市として発展を続ける北九州市。自然や環境だけでなく、動物にも優しい街であってほしい。同店=093(541)0102。原則月曜定休。
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