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オオカミでイノシシ駆除、計画に「危険」指摘も /大分

読売新聞 2010/12/30

畑の作物や植林の樹皮を食い荒らすシカやイノシシ駆除の切り札として、海外から輸入したオオカミを野に放つ計画が、大分県豊後大野市で浮上している。

 国内での実例はないが、米国の世界自然遺産・イエローストーン国立公園で実績があるという。食害に頭を悩ます市は来年度、手始めにシカの生息数などの調査に乗り出す方針だが、専門家の間では、生態系の崩壊に加え、人や家畜が襲われる危険への懸念が強く、論議を呼んでいる。

 大分、宮崎県境の祖母・傾山系のふもとに広がり、農林業が盛んな豊後大野市では、シカやイノシシの食害が後を絶たず、サツマイモ、シイタケ、特産のカボス、植林のヒノキやスギを中心に、2009年度の被害額だけで約2300万円に上る。

 市では地元の猟友会に依頼し、今年、シカ約330頭、イノシシ約500頭を駆除したが、繁殖による増加に追い付かず、食害は一向に減らない。

 今回浮上したオオカミの投入計画は、獣医師や大学教授らで作る「日本オオカミ協会」(東京、240人)が提案しており、橋本祐輔市長らが今年に入り、「対策の切り札にならないか」と検討を始めた。国内に実例はないが、協会には四国の自治体などから問い合わせが入っているという。

 かつて国内に生息したニホンオオカミは乱獲などで100年ほど前に絶滅したため、協会は、ニホンオオカミの亜種ハイイロオオカミを中国やロシアから輸入することを勧めている。国内ではすでにペットなどとして個人的に輸入する人がいるという。

 協会によると、イエローストーン国立公園では、かつて1万3000頭に上るシカが9000平方キロの植樹を荒らしたため、オオカミ31頭を放った。その結果、シカは一挙に6000頭減った。野生生物の保護にも詳しい同協会会長の丸山直樹・東京農工大名誉教授は「オオカミの捕食効果は大きい。習性上、人を襲うことはまずない」と話す。

 一方で、計画を疑問視する声は強い。大分県環境保全審議会委員のNPO法人・おおいた生物多様性保全センターの足立高行理事長は「元来、生息していない動物を持ち込み、生態系が崩壊した例は数多い」と指摘する。沖縄では、ハブの駆除のため、マングースをインドから持ち込んだところ、天然記念物のヤンバルクイナなどの被害が相次いだ。

 また、環境省野生生物課も「オオカミが人や家畜を襲わないという証明はされていない」としており、豊後大野市に隣接する竹田市で60頭の肉牛を飼う畜産業釘宮永路さん(50)は「牧草を食べに頻繁に現れるシカやイノシシを追い、オオカミが人里に下ってこないか」と表情を曇らせる。

 しかし、ほかに有効な対策を見いだせない実情もあり、橋本市長は「十分議論を重ね、計画の実現を模索したい」と話している。



やっぱり生態系の崩壊が指摘されましたね(素人の私でも思いつくのですから)。

それにしても、この市長はどうしてオオカミを野に放ちたがっているのでしょうか?

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