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田中秀子さんと3匹の犬たち 命の危機救って新たな飼い主へ /東京

東京新聞 2011年02月21日

★ハイハイ(メス)、ハイサイ、ウルル(ともにオス)

 元ジャズシンガーの田中秀子さんは、保護された犬猫を新しい飼い主が見つかるまで預かるというボランティア活動を十年以上続けている。今も自宅にはハイハイ、ハイサイとウルルの三匹がいる。三匹は取材の間も田中さんの周囲を楽しそうに跳ね回り、信頼関係が伝わってくる。

 「どの犬も命の危機から、ここへ来たんです」と田中さん。日本はペット大国だが、その一方で、年間約三十万匹が殺処分されているとの現実もある

 ハイハイは保健所に送られる直前に引き取られた。「二十三匹にまで増やしてしまった飼い主が放棄した一匹です。典型的な『多頭飼育崩壊』の結果です。飼育できる数には限界があるのに」

 最初見た時は栄養失調とアレルギーでガリガリに痩せ、毛がなくなっていた。体は治ったものの、新しい飼い主探しで“お見合い”をしても話はまとまらず、「いつの間にか情が移って、うちで飼うことになりました」。

 ハイサイとウルルは保健所で殺処分を待っていたのを「新しい飼い主が見つかるまで」という約束で預かった。

 田中さんは保護活動を続けてきたが、その一方で、助けることのできない命を目の前にするつらさを何度も経験した。資金難で活動がストップした団体も多く見てきた。このため、「保護ボランティアは小さな団体が多く、すべての犬猫を助命できるわけでもありません」と強調する。

 そんな思いを詩にして、所属するNPO法人「日本動物生命尊重の会」のHPに載せた。「まだ間にあうから…この重い扉を開けてください」という詩には、数日から一週間という期限付きで保健所に収容され、引き取り手を待つ犬猫の気持ちを託した。すると、HPの詩を見たドイツ在住の作曲家、松尾由佳さんが曲をつけてくれた。同時に、松尾さんと知り合ったことで、殺処分が存在せず制度が整っているドイツのペット事情との差に衝撃を受けた。

 やがて曲が口コミで広まり、保護された犬猫への去勢や避妊手術や啓蒙活動費の足しになればと、「まだ間にあうから」というタイトルでCD化された。一枚千円で販売し、半額を寄付している。

 そんな活動から飼われることになった犬たちだが、愛された経験の少ない犬が多く、しつけや犬同士の相性にも気を遣う。ハイハイは新入りの犬に一回ワンとほえるだけ。どんな犬が来ても平気だから次の犬も預かれるという。

 「保健所に送られた犬は凶暴なのでは、といった悪いイメージを抱きがちですが、こんないい子たちがいることを知ってほしい


 たなか・ひでこ 東京都生まれ。山脇学園短大卒。元ジャズシンガー、現在は家業を継いで会社役員。バレエも得意。本文中のCD情報などはHP(「まだ間にあうからプロジェクト」で検索)で。



是非、聞いて見て下さい

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