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[報道] ペットと震災乗り越える 市川市「一家」受け入れ避難所

東京新聞 2011年04月16日

 福島第一原発事故で避難を余儀なくされたが、ペットと一緒に過ごせる避難所が少なく“避難難民”となっている人たちを、市川市が市の教育施設「少年自然の家」で受け入れている。原発から十キロ圏内の福島県富岡町に住む樋口広子さん(45)も犬一匹、猫二匹と身を寄せた。二匹の愛猫は、避難のため一度は置き去りにした命だった。 (宇田薫)

 今月初旬、自然の家の建物脇のテントで、樋口さんの腕に抱かれた雌猫のミューが獣医師の健康診断を受けていた。顔がこわばるミューを、樋口さんは苦笑しながら、そっとなでた。

 樋口さんはパート先のホームセンターで被災。夜になって、情報を得ようと町役場に行くと近隣の避難所へ向かうバスが出ていた。「うちには三匹の動物がいる。避難所は受け入れてくれないだろう」。夫と自宅に帰った。翌日、友人から「原発が爆発した」と聞き、「すぐに帰る」つもりで、洗面器いっぱいの水と餌を自宅に置き、持病のある雌犬ライムだけを連れて同県川内村の避難所へ移った。だが屋内に動物は入れず、犬は車内に残したまま夜を明かした。

 間もなく自宅が避難対象区域になった。猫のことが頭をよぎったが、夫に「連れて行っても動物たちは車中生活。逆にかわいそう」と諭され、あきらめた。「二匹の命を救えなかった」。携帯電話に連絡をくれた知人にそう言って泣いた。

 福島市の妹宅に身を寄せていた際、知人からペットの同行避難ができる施設が千葉にあると聞いた。車を走らせ、自衛隊の検問を通って自宅へ戻った。ドアを開けると二匹が待っていた。洗面器も餌の袋もからっぽだった。「生きてて良かった。ごめんね」。夫は仕事で東北に残ったが、先月末に長女(21)と自然の家へ移った。ペットはテント内のケージで飼われ、水や餌の心配もない。滞在期限は今月末までと短いが、樋口さんは「三匹の居場所があるだけで、奇跡のよう」と話す。

 自然の家には現在、原発から三十キロ圏内の三世帯六人と犬猫計九匹が暮らす。市が施設を提供し、動物愛護団体でつくる「緊急災害時動物救援本部」がペットをケアしている。

 被災地で飼い主と生き別れになったペットのニュースを見聞きするたび、心を痛めるという樋口さん。「ペットも人も一緒に震災を乗り越えられる環境がもっと増えてほしい」と願っている。



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