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[しっぽの気持ち] 動物たちは助けを待っている

2011年11月01日

http://mainichi.jp/life/today/news/20111101ddm013070011000c.html

 「あの日、どこにいたか」「あの瞬間を、どんなふうに過ごしたか」

 3月11日以降、誰もが互いの無事を確かめ合い、不安と畏れを共有した。ニュースに流れる現地の映像に身をすくめ、被害に遭われた方々を憂い、心を痛めた。いくら追いやろうとしても、暗雲は日本を覆い尽くした。

 こうした緊急災害時には、人の安全確保とその後の支援等が最優先になるのは当然だ。しかし、被害を受けたのは動物たちも同じである。

 警戒区域に指定された範囲内には、今も取り残された動物の救済に先が見えない現状がある。未曽有の震災を必死に生き延びた動物たちが、飢えと渇きに喘(あえ)ぎ、苦しみながら、人の消えた町で助けを待っている。人と動物どちらの命が重いかでなく、どの生き物にも命は一つきりということを考慮してほしい。

 被災された方たちは、これから立ち直らなくてはならない。大切な家族や友人、財産、思い出を失った人にとって、ペットは励みになってくれるかもしれない。他人からすれば「たかが犬一匹」であっても、家族には世界の何処(どこ)にも代わりのいない、かけがえのない存在。この命を救うことは、人を救うことにつながるはずだ。本格的な寒さが訪れる前に、一刻も早い全頭レスキューが完了することを願う。

 福島に住む友人は、それまで飼い主のいない猫たち十数匹に餌を与えてきた。震災から10日後、たった一匹がぼろぼろな姿で戻ってきた。現在その猫は地域のアイドルとなり、パトロールするように家々をまわり、高齢者宅では長居して話し相手を務めているとのことだ。隣近所が声をかけ合い、助け合う中で、被災し傷ついた猫も小さな力になっている。

 被災地に季節が巡る。これから年月を重ねつつ、復興への険しい道をたどる。その毎日を、直接に被災しなかった者たちこそ長いスパンで支援し続ける心構えが一人一人に必要だと思う。被災地の未来は日本の未来。私たちは、これから一緒に日本の明日を作ってゆくのだ。命が大切という、あまりに当たり前なことを痛いほど再確認した私たちは、きっと強く前進できるに違いないと信じている。(作家)
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