[しっぽの気持ち] 愛する誰かに寄り添って=渡辺眞子
http://mainichi.jp/life/housing/news/20111227ddm013070017000c.html
都心のホテルで開かれた年末のパーティに、数頭の介助犬が車椅子に寄り添って参加した。会場では子どもにも穏やかに接し、ユーザーさんの食事中は静かに寝そべりながらも、車椅子が動く気配を察するやハッと顔を上げる。輝く瞳は真剣そのものだ。
その帰り道、師走の夜気の中に、駅でお父さんを迎える家族と犬の姿があった。犬はまるで数年ぶりみたいに、お父さんに会えた喜びを全身で訴えていた。
犬が家族に向ける視線。家族が犬に注ぐまなざし。そこにこめられた気持ちに、飼い主もユーザーも、ペットも働く犬も変わりはない。人と犬は会話こそ交わせないけれど、たしかに通じ合っている。理解し合っている。犬に限らず長くともに暮らした動物たちとは、きっと同様の関係を結ぶことができるのだろうと思う。彼らとのつながりを表現しようとするとき、「愛」以上にしっくりする言葉を私は知らない。
今年1年の世相を表す漢字は、大方の予想通り「絆」だった。東日本大震災を経験した私たちが深い絆を求めるのは、ごく自然なことだろう。自分の生を、存在意味を確認するためにも、たしかな絆が欲しい。
人と人との関係が稀薄(きはく)になった現代社会においては、動物たちがその役割を担う場合が少なくない。自然災害や家庭の事情などで大切な相手との別れを経た人々が、ぬくもりを感じさせる生き物の存在にどれほど慰められ、支えられていることか。
私は子どものころ、両親ともに多忙なため帰宅しても独りで過ごす日が多かった。でも、誰もいなくても、犬だけは必ず隣にいてくれた。あの介助犬のように。駅でお父さんを待つ犬のように。
そんな1頭が今日も世界中で、愛する誰かと一緒に生きている。その幸福の向こうにいる、愛する誰かを失った人と動物たちの悼みや悲しみや喜びを共有して、一緒に生きてゆきたい。
車の窓から振り返って見ると、先ほどの犬と家族らの後ろ姿が街灯にまるく照らされていた。ふさふさした金色のしっぽが左右に大きく、幸せそうに揺れていた。(作家)
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| しっぽの気持ち | 00:51 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑
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| | 2011/12/30 22:07 | |